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Q8.モンテソーリ・スクールと公立幼稚園の教室環境について、先生の考えをお聞きしたいのですが。
(5歳半の女児の保護者の質問)
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私の5歳半の娘 (洗礼時に私が名付け親をしたゴッドドーターです)は場面緘黙と診断されて います。プレ幼稚園からモンテソーリ・スクールに入り、今幼稚園です。幼稚園ではまだ話さないものの、家ではおしゃべりが止まらないほどよく話します。幼稚園では、4〜6歳児の26名がひとつのクラスとなり、同じ教室で過ごしています。
このスクールでは、安心感や心の穏やかさ、独自性、そして子どものペースが大切にされます。私たちは1年生以降どうす るべきか戸惑っています。モンテソーリ・スクールと公立の教室環境について、先生のご意見をいただけないでしょうか。
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(エリザ・シポンブラム博士の回答)
クラスの人数も大切ではありますが、何よりも重要なのは、不安を抱えたお子さんを支援できる学校環境を整えることです。 ほとんどの緘黙児はグループの場面で圧倒され、コミュニケーションが抑制されることが多いようです。まずあなたの娘さんが安心して落ち着いていられるように、様々な教育的配慮を行うことが必要でしょう。
補助の先生との1対1での活動や小グループ活動を行ったり、子どものコミュニケーションにおける安心レベルを把握したりすることが大切です。当然お子さんに対してアセスメントを行える専門家と連携すること、そして教室での進展を促す個別治療計画を作成することが必須です。これをあなた1人で行うのは不可能です。人と関わる際の安心感や自信を築き、コミュニケーションを前進させるには、どのようにステップを踏めばよいのか指導してもらえるような支援があなたには必要です。 また、私立の学校は、子どもへの支援を提供する教育法IDEAを遵守する必要がないということを理解しておいてください。お子さんにあった教育環境を提供するための人材や能力がない私立の場合は、「状況に対応しない」という決定を下すこともできますし、もっと子どもに合った教育環境を提供できるところへ変わることを勧めることもできます。
教育的配慮を行うことが義務づけられているのは、公教育の制度だけです。しかし、場面緘黙についてあまり知られていないため、お子さんのニーズを園や学校に伝えるには、相当積極的に動かれる必要があるでしょう。あなたがどう対応すればよいか助言してもらうためには、場面緘黙についてよく理解している専門家といっしょに取り組むことが必要です。ほとんどの公立では、チームでお子さんの審査を提供します。しかし、困ったことに、私はこれまで、場面緘黙の症状について誤った理解がなされ、正しいクラス配置や適切な教育的配慮がなされていない公立の学校をよく経験しました。例えば、緘黙の子どもは、本当は話をさせられたがっているので話させよう…などという誤解です。
まず、あなたがすべきことは、両方の学校の責任者と話し合い、実際に教室を訪れてみること、会うことができる先生方と会ってみることです。その学校で既に教育的配慮を受けている他の子どもの保護者から、プロセスが簡単であったか、難しかったかなどを聞いてみるのもよいでしょう。もしも今通っている幼稚園が配慮が行き届いた園で、お子さんに対してすでにできるだけの支援をしており、これからも全力を尽くして下さりそうなら、私なら断然その環境を選びます。答えは、公立か私立かではないのです。お子さんの今の状態をしっかり受けとめ、どう支援していけばよいか理解してくれる場所こそが、お子さんの学校としてふさわしいでしょう。
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