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Q3.飛び級したクラスで場面緘黙です。どう対処すればよいでしょうか?
(6歳男児の保護者の質問)
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息子のN男は6歳です。この8月に幼稚園から小学2年生に上がりました。残念なことに、2年生入級初日に初めて学校から飛び級について 知らされました。それ以来息子は2年生のクラスの教室でずっと話すのを拒絶しています。学校では、学童保育の時や以前のクラスの友達とはお喋りします。新しい学年でもよい成績をとっており、息子自身はこの2年生のクラスが気に入っていると言うのですが。息子が親の私に言うことには、クラスで「話したい」と思う気持ちはあるけれども、きっかけがつかめないらしいのです。行動療法は受けているのですが、効果が出るには到っていません。この1月には別の心理士の予約を入れています。
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(エリザ・シポンブラム博士の回答)
息子さんは、飛び級をする前には場面緘黙ではなかったのですね。2年生のクラスへの入級で、息子さんの不安が非常に高まったことは、きわめて明白だと思います。
学習面では2年生にあがる準備ができていたけれども、社会性や発達面では明らかにまだだったのでしょう。年上の子どもたちといっしょにいると、心細く心もとなく感じるのでしょう。とても怖くてびくびくしてしまい、それで今場面緘黙の状態なのです。場面緘黙は不安の結果です。明らかにお子さんは不安になっていて、そんな環境で話せないのです。
「話すのを拒絶している(refuse)」という言葉はどうかお使いにならないでください。本当にお子さんが場面緘黙であるなら、激しい不安によって「話せない」のです。 お子さんは学校を気に入っているとのことですので、やはり不安を低減させるために、行動療法を 行うことをお勧めします。不安を扱う行動的アプローチを行ったにもかかわらず、学年末にまだ場面緘黙のままの場合は、私なら学習面で更に充実させながら2年生をもう一度するかどうか真剣に考えます。社会性の発達は、子供の情緒の成長において、極めて重要であり、かつ重大な影響があります。
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