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正直に申し上げて、適切なお薬の量は子どもによって異なります。私はごく少量から始めて、同時に行動療法も始めます。行動療法をうまくスタートさせられるように、少量の薬を使うのです。別の言い方をすれば、薬によって子どもの不安を下げて、対処スキルをつけるために必要な行動療法をやりとおせるようにするということです。
子どもの不安を和らげるため、お薬の量は行動療法の進み具合によって判断します。行動療法で前進があれば薬の量を増やさずそのままにし、もし一定の期間(親や子ども、状況によって期間は異なります)進歩がなければ、行動療法がうまく進むように量を増やします。
不安が高すぎて、行動療法だけでは改善が難しい子どもがいますし、一定の投薬量では前進が難しい子どももいます。そのような場合は薬の量を増やしたり、行動療法の手法を変更したりします。
もしも副作用が出たら、薬の量を減らします。薬は、子どもにあわせて個々に処方されるのです。ある子どもに薬が効いたからといって、他の子にも同じやり方でうまくいくわけではないことを、どうぞご理解ください。改善への鍵は、子どもの状態をしっかり把握することです。
かかっておられる医師は、学校や他の社会的状況でお子さんを支援するプランを組み合わせておられますか。もしくはそのようなプランを行えるように、あなたを支援できる専門家を紹介されましたか。心からそう願います。薬物療法のみ行うことは、絶対にお勧めできません。
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