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(エリザ・シポンブラム博士の回答)
正直に申しあげて、入学という新しい学年に入る時に、お子さんに「恐怖に直面」させようとしたら、お子さんに心の痛手を負わせてしまいます! 私は学校心理士の言うことに全く賛成できません。その心理士の方には、あなたから場面緘黙について知らせる必要があると思います。お子さんは、まだ幼く非常に不安が高い女の子です。環境の中に少しずつ入れていく方法が一番です。例えば、入学前に学校に連れて行くことを、ゆっくりと始めるなど。「EASING
SCHOOL JITTERS(学校での不安を和らげる)」という本(※1)がお勧めです。子どもたちが学校でもっと落ち着いて過ごせるに は、どう対応すればよいか、様々なアイデアが掲載されています。
また、感覚の問題は場面緘黙の子どもによく見られる問題です。小児のための作業療法士に感覚について評価してもらうことをお勧めします。感覚統合障害を併せ持っている場合は、感覚の問題から不安が悪化します。感覚の過負荷からシャットダウンが生じると深刻ですので
その対応が必要です。アスペルガー症候群は、場面緘黙との鑑別は難しくありません(※2)。ぜひ正しい診断を受けてください。全体的な対応を行うにあたって、このことが最も大切です。
(※訳者注1)EASING SCHOOL JITTERSは、日本未公開
(※訳者注2)日本では、場面緘黙とアスペルガー症候群や自閉症スペクトラム障害ASDとの鑑別や併存について、研究が少ない。
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