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答えは「イエス」です。他にも支援法が複数あります。
まず最初に、あなたのセラピストは、外の世界、つまり社会的場面でお子さんを支援するためにどんなことをされていますか。もしもセラピストが、お子さんの対処スキルを伸ばそうとせず、遊戯療法以外の場で様々な課題に取り組む支援をされていないようでしたら、場面緘黙に関する情報をそのセラピストに知らせてください。そして、学校での過ごし方、人と出会い方…などについて、娘さんを支援する方法について、あなたはセラピストと話し合うことが必要です。
娘さんがセラピストと話せることは大変喜ばしいことです。しかし、学校などの心理的負担の大きい状況での対処法はどうでしょうか。
お子さんが学校でより安心して過ごすにはどのような支援がいるのか、指示やアドバイスをしてくれる人が、あなたには必要です(たいてい学校が、緘黙児にとって最も難しい場所です!)。脱感作法、フェイディング法、モデリング法、正の強化などが、お子さんに役立つ優れた方法です。ただし、お子さんの状態を「不安」という観点からよく理解をすることで、ここに挙げた技法の具体的方法が決まってきます。
一例を挙げましょう。子どもの不安がとても強く、親といっしょに学校を歩くだけで「恐怖」を覚えるような場合は、「担任の先生にあいさつできればシールがもらえる」というような方法では、よけいに恐怖を強めて動けなくしてしまうだけです。 しかし、複数の子どもたちと話せていて、担任の先生に時折小さな声で話せる子どもなら、正の強化によって「担任に一言話す」という行動を増やしていける状態まできているかもしれません。
子どもは皆それぞれ異なっていて、行動療法の手法に対する反応も様々です。 緘黙だけに目を向けるのではなく、お子さんの状態を読みとり、お子さん全体を治療できるセラピストが必要です。そしてまた、様々な社会的状況、つまり「現実の世界」の対処においてお子さんを支援する人が必要です。どうかセラピストとこの点についてなるべく早く話し合ってみてください。
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