かんもくネット SMG~CAN(米国)Q&A    

   
 SMG~CAN(米国)Q&A

Q2.どのようなタイミングで、薬物療法を始めればよいのでしょうか?
   
(4歳女児の保護者の質問)

 
娘は現在4歳です。娘の場面緘黙に気がついたのは、2001年9月頃でしたが、その翌年の2月から場面緘黙の治療歴のある精神科医による治療を受けています(場面緘黙の治療歴のある先生を探すのに苦労しました)。面接は隔週で、45分と1時間半を交互に設定しています。 長い方の面接を始めたのは最近です(これは私が提案しました)。

 私たちはレストランや公園で面接しています(これも私が提案しました)。医師のところまで1時間ほどかかりますが、親子でそちらまで出向いています。最初慣れるのに5〜10分間はかかり、うっかりでもしない限り、医師とはまずヒソヒソ声で話します。それから普通の声になります。

 私たちは今、自己評価を高めること(ダンスのレッスン)、それから保育園で安心して過ごせるようにすることに、集中的に取り組んでいます。週1回は、午後に私が保育園に行って娘と過ごすようにして、他の子たちがいる前でも、私に小声で話しかけれるようにと考えています。しかし、集団が苦手で、子どもたちが多すぎると娘はどこかに行ってしまいます。こういう場合は、どうすればよいのでしょう。医師のところに通うようになって7〜8ヶ月経った頃から、十分に打ち解けた感じでいっしょに遊べるようにはなったのですが、これから医者は娘と何をしていくべきなのでしょうか。

 娘は医師を私の旧友と思っており、娘の前で話し合わないように、私は医師とはEメールでやりとりしています。。医師とお薬についても話し合い、娘にはいずれパキシルを処方するとよいと言われました。どのようなタイミングで、薬物療法を始めればよいのでしょうか。何も目標を決めずに来ており、行き詰まりを感じています。これからどうすべきか教えていただけますか。今の取り組みで充分なのでしょうか。




 いくつか質問してもよろしいでしょうか。

1)医師といろんな場所に「出向く」のはあなたのアイデアであるとのことですが、訪れた先の社会的場面で、その医師はお子さんの不安軽減や対処スキルの習得のためにどんなことをされていますか。

2)医師との間で安心を築くという目標で、7〜8ヶ月間やってこられたとのこと。それはよいと思うのですが、医師は「学校」や「その他の社会的場面」では、あなたとお子さんをどう支援してくださっていますか。別の言い方をすれば、お子さんと遊んだり楽しく過ごしたりすること以外には、学校やその他の社会的場面で、お子さんを支援するために、どんなことをするように医師から言われましたか。様々な社会的場面で安心感を増やす支援をする方法、子どもが本来持つ力を出せるようにする様々な方法があります。あなたはいろんな方法を用いてお子さんと取り組んでいく必要があるのです。

3)お子さんから話を聞かれないように医師とEメールでやりとりしていると仰っていました。このような対応がよい場合もあると思います。ただ、お子さんは、自分の不安を認め、把握しているでしょうか。お子さんが様々な場面で自分の気持ちを把握できるようになるまでは、症状の改善は限られます。お子さんが「声を出すことができない」ということを、自分で認め、把握できるようになることは、お子さんが自分の不安を克服するのを支援する上での鍵であり、最初のステップなのです。

 お子さんのことを存じ上げないので「これから何をすべきか」について具体的には申し上げられませんが、場面緘黙の克服のための最初の目標は、子ども自身が社会的場面において「ドキドキ」「怖い」などの自分の気持ちをしっかり捉え、コントロールできるようになることと思います。それから、専門家による支援を受けながら、治療目標に向けて子どもと取り組みを行います。様々な手法を用いて、不安を低くし、自尊心を高め、社会的場面での自信を高めるのです。私の回答がお役に立てれば幸いです。



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