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コメントをありがとうございます。EMDRのことはよく知っています。創始者のフランシーン・シャピロ女史とは昨年何度か連絡を取り合い、特に不安障害や場面緘黙の子どもについて彼女と話し合いました。緘黙の発症にトラウマが関連しているお子さんには、私もEMDRをお勧めしてきました。
しかし、EMDRは大人に対しては非常にうまくいくのですが、子ども、特に幼い子どもに対してはなかなかうまくいかないのです。ご存知の通り、EMDRの背景にある理論では、素早い目の動き(通常は左右交互に点滅する光を見る)を通じて、頭に浮かぶ考えに対して、不快な感情の動きや身体的兆候が生じないように、脳の状態を保つことが可能になります。つまり、脳が記憶や情報を再処理するためには、「集中」することが必要なわけです。訓練されたEMDR専門家の多くが、ある特定の事象を少しずつ段階的に、患者に体験させる方法をとるのですが、幼い子どもの場合は、目で光を追うどころか注意を保つこと自体が難しいようです。ここでは、EMDRについてお薦めの本を2冊ご紹介いたします。
(1)シャピロ F.(著) 市井雅哉(監訳)2006『EMDR−外傷記憶を処理する心理療法』二瓶社 (2)Ricky Greenwald
1999:EMDR in Child/Adolescent Psychotherapy, Jason Aronson Inc
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